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生成AI導入を何から始める?最初の業務を選ぶ実践手順

生成AI導入は、候補を一つに絞ったあと、その一件をどこからどこまで実施するかという境界を決めるところから始めます。開始点と終了点、AIに任せる区間と前後の手作業、初回から外す例外を先に切り分ければ、関係者は同じ範囲を見て着手でき、利用中に範囲がずれても合意した線へ戻せます。

選定済み業務の開始点と終了点を区切り、AIに任せる区間と前後の手作業、例外を分ける流れ

生成AI導入は、候補を一つに絞ったあと、その一件をどこからどこまで実施するかという境界を決めるところから始めます。開始点と終了点、AIに任せる区間と前後の手作業、初回から外す例外を先に切り分ければ、関係者は同じ範囲を見て着手でき、利用中に範囲がずれても合意した線へ戻せます。

生成AI導入は「選んだ一件の境界を切る」ことから始める

最初の一件で決めるのは業務名ではなく、その業務のどこからどこまでを初回の実施範囲にするかという境界です。

この記事は、候補が一つに絞れている地点から始まります。まだ候補が複数残っている場合、優先順位の付け方は『AI化する業務の選び方|優先順位を決める判断基準』が扱います。候補を比べて一つに絞るところまでは、公開済みの『生成AI導入は何から始める?中小企業が失敗しない7ステップ』が扱っています。本記事はその続きにあたる、選んだ結果を実際に着手できる形へ整える工程です。

境界を切らないまま着手すると、同じ業務名でも人によって想像する範囲が食い違います。「議事録作成に生成AIを使う」と言ったとき、録音の準備から想像する人、文字起こし済みのテキストを要約するところだけを想像する人、参加者への配信と決定事項の台帳反映まで含める人が同時にいます。範囲が揃っていないと、着手の合図が出せず、終わったかどうかも判定できず、結果が良かったのか悪かったのかも言えません。

本記事が根拠にするのは、総務省・経済産業省「AI事業者ガイドライン(第1.2版)」(資料日付2026年3月31日)と、個人情報保護委員会「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等」(2023年6月2日)です。いずれもラクダ編集部が2026年7月31日に内容を確認しています。AI事業者ガイドラインは非拘束的なソフトローであり、法令上の義務ではありません。導入手順の段階数を公的に定めた資料でもないため、本記事は「何段階で進めるか」ではなく「一件の範囲をどこで切るか」に絞ります。

選んだ業務を一つの流れとして描く

境界を切る前に、選んだ業務を「誰が何を受け取り、何をして、誰へ渡すか」という一本の流れとして書き出します。

書き出す単位は工程です。担当者が変わるところ、待ちが発生するところ、使う道具が変わるところで区切ると、あとで境界を引ける位置が見えます。逆に「効率化する」「品質を上げる」といった状態の言葉で区切ると、どこで切っても同じに見えてしまい、開始点も終了点も決まりません。

一つの工程は、「誰が」「何を入力にして」「何を出力するか」の三つで言い切れるところまで細かくします。言い切れない工程が残る場合、その工程には複数の判断が混ざっています。たとえば「議事録をまとめる」は、発言を書き起こす、決定事項を拾う、社外に出せない発言を落とす、体裁を整える、という別々の作業を含みます。ここを分けておかないと、AIに任せる区間を後で切り出せません。

この段階の成果物は流れの一覧だけです。各工程がAIに向くかどうかを評価したり、工程に順位を付けたりはしません。評価は済んでいる前提で、実行できる単位へ落とすことに集中します。

開始点を「何を受け取ったら始まるか」で決める

開始点は、時刻や担当者の意思ではなく「何を受け取った時点か」という物で決めます。

「毎朝9時から」「手が空いたとき」は開始点になりません。着手したかどうかを他人が確認できないからです。「会議の録音ファイルが共有フォルダに置かれた時点」のように、受け取る物で決めると、着手漏れも二重着手も後から判定できます。

次に、開始時点で揃っていなければならない入力を列挙します。録音ファイルだけで足りるのか、参加者名簿や前回の議事録も要るのか。ここが曖昧だと、担当者が毎回違う材料で始めることになり、出力の良し悪しが材料の差なのか手順の差なのか分からなくなります。

揃っていない場合の扱いも開始点の一部です。足りない材料を集める作業を初回の範囲に含めるのか、揃うまで開始しないのかを決めます。含めるなら、それは前工程の手作業として範囲の内側に置きます。含めないなら、材料が揃った状態で渡されることを前提条件として明記します。どちらでも構いませんが、決めずに始めると、材料集めの負担が誰の記録にも残りません。

終了点を「何を誰へ渡したら終わるか」で決める

終了点は「何を、誰へ渡した時点か」で決め、渡したあとの工程は初回の範囲へ入れません。

終了点を広く取るほど、うまくいかなかったときに原因の区間を特定しにくくなります。議事録の例なら、「担当者が内容を確認し、共有フォルダへ置いた時点」で終わりにして、参加者への配信や決定事項の台帳反映は初回の範囲外に置きます。配信まで含めると、配信の遅れも、宛先の間違いも、同じ一件の結果として混ざってしまいます。

開始点と終了点が決まったら、受け取るものと渡すものを対応させて一枚にします。これが着手の合図と完了の判定を兼ねる表です。

項目 何で決めるか 書き方の例 決める人
開始点 受け取る物とその置き場所 会議の録音ファイルが共有フォルダに置かれた時点 業務責任者
受け取るもの 開始時に揃っている必要がある入力 録音ファイル、参加者名簿、前回の議事録 現場担当者
使える状態の条件 入力がそのまま使えると言える条件 音声が最後まで再生でき、対象外の資料が混じっていない 現場担当者
渡すもの 終了時に出来上がっている成果物 決定事項と担当者が入った議事録案 業務責任者
終了点 渡す相手と渡し方 出席した担当者が確認し、共有フォルダへ置いた時点 業務責任者
初回の範囲外 今回は触らない工程 参加者への配信、決定事項の台帳反映 業務責任者

この表は、選定の記録でも役割分担の一覧でもありません。「今回の一件はここから始まり、ここで終わる」という一点だけを、関係者が同じ文で言えるようにするための道具です。

AIに任せる区間と前後の手作業を分ける

境界の内側を、さらに前工程の手作業、AIに任せる区間、後工程の手作業の三つに分けます。

分けておく理由は、負担がどこへ移動したかを見るためです。AIに任せた区間が短くなっても、入力を整える前工程が増えていれば、業務全体は楽になっていません。逆に、後工程の確認が想定より重い場合は、AIへ渡す入力の条件を見直すほうが効きます。区間を分けずに「議事録作成にかかる時間」だけを見ていると、この移動が見えません。

AI事業者ガイドライン第1.2版の別添5(AI利用者向け)は、利用前に、提供されたAIシステム・サービスが想定された仕様に基づき適切に動作しているかについての基本的な動作確認を挙げています。この確認の対象になるのが、ここで切り出したAI区間です。区間が定まっていなければ、何が「想定どおり」なのかも決められません。

区間 初回に含めること 担当 初回は含めないこと
前工程(入力を整える) 受け取った材料が使える状態か確かめ、対象外の情報を外す 現場担当者 材料そのものを新しく作る作業
AIに任せる区間 決めた入力から、決めた形式の案を出す 現場担当者 入力条件を毎回変えて試すこと
後工程(出力を確認して渡す) 決めた観点で案を見て、直して次へ渡す 現場担当者・承認者 終了点より先の工程
例外の受け皿 通常でないものを止めて、記録して保留する 業務責任者 その場で例外用の手順を作ること

三つに分けたあとで、前工程と後工程のどちらかが極端に重くなる場合は、AI区間の位置が業務に合っていない合図です。区間を後ろへずらす、あるいは入力の形式をそろえてから渡す、といった調整を、範囲を広げる前に行います。

例外ケースは初回の範囲へ混ぜず別扱いにする

例外ケースは初回の実施範囲へ混ぜず、「通常」の定義と、例外が来たときに止める合図を先に決めます。

例外を混ぜたまま始めると、うまくいかなかった原因が、例外の性質なのか、AIの出力なのか、手順の穴なのかを切り分けられません。最初の一件は、結果を読めるようにするための一件です。読めない状態で件数だけ重ねても、続けるか直すかを決められません。

先に書くのは「通常」の定義です。除外条件を並べるのではなく、「社内会議で、参加者が同じ部署内に収まり、録音が一本にまとまっているもの」のように肯定形で書きます。そこへ当てはまらないものが例外です。この順で書くと、判断に迷う件が出たときに、担当者どうしで解釈が割れにくくなります。

例外が来たときは、その場で例外用の手順を作らず、処理を止めて記録し、保留にします。急いで例外を通すと、通常の範囲が静かに広がり、何を試したのかが分からなくなるためです。記録した例外は、範囲を見直す時点でまとめて扱い、次回の範囲へ入れるかどうかを決めます。

例外が多すぎて通常がほとんど残らない場合は、境界を業務単位で大きく切りすぎた合図です。工程を一段細かく切り直し、例外が少ない工程だけを初回の範囲にします。なお、つまずいたあとの立て直しの手順は『生成AI導入が初期段階で失敗する原因と立て直し方』が扱います。

入力情報を確認して着手できる境界に整える

入力してよい情報の線引きは、着手前に済ませる確認であり、個人情報を含む業務を一律に外すことではありません。

個人情報保護委員会「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等」(2023年6月2日)は、個人情報取扱事業者が生成AIサービスに個人情報を含むプロンプトを入力する場合には、特定された当該個人情報の利用目的を達成するために必要な範囲内であることを十分に確認すること、と示しています。まず確かめるのは、選んだ一件でAIへ渡す入力が、その情報を取得したときに特定した利用目的の範囲に収まっているかです。

同じ注意喚起は、続けて次のようにも示しています。あらかじめ本人の同意を得ることなく生成AIサービスに個人データを含むプロンプトを入力し、当該個人データが当該プロンプトに対する応答結果の出力以外の目的で取り扱われる場合、当該個人情報取扱事業者は個人情報保護法の規定に違反することとなる可能性がある。そのため、このようなプロンプトの入力を行う場合には、当該生成AIサービスを提供する事業者が、当該個人データを機械学習に利用しないこと等を十分に確認すること。つまり、個人データを含むプロンプトを入力するのであれば、その入力を行う前に、提供事業者側の取り扱いを確認しておく必要があります。原文が「個人情報」と「個人データ」を書き分けている点も、社内で説明するときはそのまま伝えます。

これは2023年6月2日時点の注意喚起であり、資料自身が今後追加の注意喚起等を実施する可能性に言及しています。2026年時点の最新規制や最終的な基準として扱わず、日付を添えて参照してください。

確認の一部は、自社では決められない事項です。AI事業者ガイドライン第1.2版で「ユーザーやシステムに付与する権限を業務遂行に必要な最小限に設定する」とされているのは別添4(AI提供者向け)の記述であり、「必要最小限のデータ入力・参照」は別添3(AI開発者向け)の記述です。いずれもAI利用者である読者への公式な要求ではありません。これらは、利用するサービスの提供者・開発者へ確認する観点として扱います。利用者側の記述として同ガイドラインが利用中に挙げているのは、不要なデータや冗長なログの削除等によるデータ最小化と適切なデータ管理の徹底です。

なお、着手してよいかどうかを項目ごとに合否判定する道具は『生成AI導入を始める前のチェックリスト|最初に決める項目』が扱います。ここでは、境界を確定させるために必要な確認だけを済ませます。

人の判断を入れる場所は影響に応じて決める

人の判断は全件へ一律に置かず、出力の使われ方と影響の大きさで置く場所を決めます。

AI事業者ガイドライン第1.2版の別添5(AI利用者向け)は、出力によって重大な影響又は被害が生じ得る場合、人間の判断を介在させる仕組みに基づき適宜判断する、としています。すべての出力に人の承認を求めているわけではありません。最初の一件では「とりあえず全部人が見る」設計にしがちですが、これは安全側に倒しているようで、確認が形だけになりやすく、負担が続かずに崩れます。どこに人の判断を置くかを決めることが、境界を切る作業の一部です。

判断を置く場所を決めるときの目安は、その出力が取り消せるかどうかです。社内の下書きとして残るだけなら、後から直す機会があります。社外へ送る、台帳を更新する、といった出力は、戻すのに別の作業が要ります。

出力の利用先 想定される影響 人の判断を置く場所 判断がつかないときの扱い
社内の下書きとして担当者が使う 後の工程で直せる 次工程へ渡す前に担当者が読む 保留にして、通常の手順で作る
社外へ送る文面や回答の元になる 送ったあとに取り消しにくい 送信前に承認者が内容を確認する 保留にし、記録して業務責任者へ回す
顧客データや台帳の更新に使う 元の状態へ戻しにくい 初回は範囲外に置き、更新は人手のまま 更新せず、境界を見直す材料にする
社内の判断根拠として引用される 誤りが後工程へ伝わる 引用元を担当者が確認してから使う 元の資料を確認できなければ使わない

表の右端を空欄にしないことが重要です。人の判断を置く場所を決めても、迷ったときの逃げ道が決まっていないと、担当者はその場で判断を作ります。保留の行き先を先に決めておけば、例外の記録がそのまま次の見直し材料になります。

合意した境界で始め、利用中に範囲を定期確認する

境界は関係者が合意した時点で有効になり、利用中は範囲がずれていないかを定期的に確認します。

合意を取る相手は、業務責任者、実際に手を動かす担当者、出力を受け取る次工程の人、情報の取り扱いを見る管理部門です。次工程の人を外すと、終了点で渡された成果物が「使えない形」で届き、後工程で作り直しが起きます。合意の内容は、開始点、終了点、初回の範囲外、例外の合図、人の判断を置く場所の五つに絞れば足ります。

AI事業者ガイドライン第1.2版の別添5(AI利用者向け)は、適正な範囲・方法での利用を、利用前と利用中に分けて示しています。利用前として挙げられているのは、AIの性質、利用の態様等に応じた便益及びリスクの認識、並びに適正な用途の理解、適正利用のための必要な知識・技能の習得、想定された仕様に基づき適切に動作しているかについての基本的な動作確認、利用過程におけるログ(操作履歴、入力・出力の記録等)の管理体制の整備の四つです。利用中の項目には、AIの活用が適正な範囲・方法で行われているかについての定期的な確認が含まれます。この二段構えを、そのまま最初の一件の運用に当てはめられます。

ログについて求められているのは管理体制の整備であり、入力と出力を一律に保存せよという意味ではありません。同ガイドラインは利用中の項目として、不要なデータや冗長なログの削除等によるデータ最小化と適切なデータ管理の徹底も挙げているため、一律保存はむしろ噛み合いません。着手前に決めるのは保存の量ではなく体制です。何を管理の対象にするか、どこへ残すか、誰が見られるか、どれだけの期間残すか、どうなったら削除するかが決まっていない状態では始めない、という判定にします。

記録の形式に時間をかける必要はありません。同ガイドラインは文書化について、後から容易に確認可能となるよう適切なツールで記録が残されていれば差し支えなく、必ずしも紙媒体や特定の文書の形式による必要はない、としています。新しい台帳を作るより、いま使っている共有フォルダやチャットに残すほうが続きます。

時点 すること 境界に関する合図 記録先
利用前 AIの性質、利用の態様等に応じた便益及びリスクの認識と、適正な用途の理解 想定した用途から外れる使い方が出てきたら境界を引き直す 既存の共有ドキュメント
利用前 適正利用のための必要な知識・技能の習得 手順を自分の言葉で説明できない人がいる間は始めない 既存の共有ドキュメント
利用前 想定された仕様どおり動作しているかの基本的な動作確認 想定と違う挙動があれば開始点を保留する 既存の共有ドキュメント
利用前 ログ(操作履歴、入力・出力の記録等)の管理体制の整備 管理の対象、保存先、アクセス権、保存期間、削除の条件が決まっていないなら着手しない 既存の共有フォルダ・チャット
利用中 適正な範囲・方法で行われているかの定期的な確認 例外の持ち込みが続くなら境界を修正する 境界表の更新履歴
利用中 範囲外の工程へ影響が出ていないかの確認 終了点より先へ出力が流れていたら止めて合意し直す 境界表の更新履歴と保留記録

定期確認では、成果の良し悪しより先に「いま動いている範囲が、合意した範囲と同じか」を見ます。境界がずれたまま結果だけを比べると、良くなったのか、単に対象が変わったのかが分かりません。範囲を広げるのは、この確認で境界が保たれていると言えたあとです。

よくある質問

Q1. 準備や確認などの手作業も最初の一件に含めますか?

含めます。入力を整える前工程と、出力を確認して次へ渡す後工程を範囲に入れないと、AIに任せた区間だけが軽くなり、業務全体では負担が移動しただけ、という状態を見落とします。ただし含めるのは、決めた開始点と終了点の内側にある手作業だけです。その外側の工程は「初回の範囲外」として境界表に書き出し、次に広げる候補として残します。

Q2. 例外ケースは最初から実施範囲へ入れるべきですか?

入れません。初回は「通常」と定義したケースだけを対象にし、例外は止める合図を決めて別扱いにします。例外を混ぜると、うまくいかなかった原因が例外の性質なのか、AIの出力なのか、手順の穴なのかを切り分けられなくなります。例外はその場で処理せず記録して保留し、範囲を見直す時点でまとめて扱います。例外が多すぎて通常がほとんど残らない場合は、工程を一段細かく切り直します。

Q3. 生成AIの出力はすべて人が承認する必要がありますか?

AI事業者ガイドライン第1.2版(総務省・経済産業省)の別添5(AI利用者向け)は、出力によって重大な影響又は被害が生じ得る場合に、人間の判断を介在させる仕組みに基づき適宜判断するとしており、すべての出力への一律承認を求めてはいません。同ガイドラインは非拘束的なソフトローであり、法令上の義務ではありません。実務では、その出力が取り消せるかどうかで判断を置く場所を決め、迷ったときの保留先も同時に決めます。

Q4. 個人情報を含む入力を扱う場合、着手前に何を確認しますか?

個人情報保護委員会「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等」(2023年6月2日)は、個人情報取扱事業者が生成AIサービスに個人情報を含むプロンプトを入力する場合には、特定された当該個人情報の利用目的を達成するために必要な範囲内であることを十分に確認すること、としています。また、あらかじめ本人の同意を得ることなく生成AIサービスに個人データを含むプロンプトを入力し、当該個人データが当該プロンプトに対する応答結果の出力以外の目的で取り扱われる場合、当該個人情報取扱事業者は個人情報保護法の規定に違反することとなる可能性がある、と示しています。そのため、このようなプロンプトの入力を行う場合には、当該生成AIサービスを提供する事業者が、当該個人データを機械学習に利用しないこと等を十分に確認すること、としています。確認が必要になるのは、他目的で取り扱われることが判明した場合ではなく、このようなプロンプトの入力を行う場合です。2023年時点の注意喚起であり、それ以降の改正内容を示す資料ではありません。

まとめ|決めるのは業務名ではなく最初の一件の境界

生成AI導入を何から始めるかは、候補を一つに絞った段階では、まだ半分しか決まっていません。決まっていないのは、その一件をどこから始め、何を誰へ渡した時点で終わりにし、どこまでをAIに任せ、どの例外を初回から外すか、という境界です。境界を切れば、着手の合図と完了の判定が同じ文で言えるようになり、負担がどの区間へ移動したかも見えます。

人の判断は全件へ一律に置かず、取り消しにくい出力の手前へ置きます。入力してよい情報は、利用目的の範囲と、提供事業者側の取り扱いの二点を着手前に確認します。合意した境界は、利用前の準備と利用中の定期確認で保ちます。ログについては、保存の量ではなく、管理の対象・保存先・アクセス権・保存期間・削除の条件という体制を先に決めます。範囲を広げるのは、境界が保たれていると言えたあとです。ほかの導入テーマを検討するときはAI関連記事一覧も参照できます。

参考資料

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