AIリテラシー研修のチェックリスト|経営者と責任者が確認する項目
AIリテラシー研修は、受講や理解度テストだけで終えず、従業員が利用目的、入力データ、規約、出力の影響を確認し、必要な場面で人の判断へ回せるかで評価します。経営者・責任者は、開始前、利用中、継続時の合格基準と証跡を決め、個人情報と個人データを分けて確認してください。

AIリテラシー研修は、受講や理解度テストだけで終えず、従業員が利用目的、入力データ、規約、出力の影響を確認し、必要な場面で人の判断へ回せるかで評価します。経営者・責任者は、開始前、利用中、継続時の合格基準と証跡を決め、個人情報と個人データを分けて確認してください。
AIリテラシー研修のチェックリスト
研修の開始・継続は、利用前の知識と体制、個人情報・個人データの入力判断、出力確認、利用中の点検、記録の各項目で判定します。
このチェックリストは、従業員50〜300人で専任AI部門がない企業を想定した社内判断用です。すべてにチェックが付けば法令適合を保証するものではありません。個人情報保護委員会の2023年6月2日の注意喚起やAI事業者ガイドライン第1.2版に基づく確認と、自社で設計する運用を区別して使います。本記事の公式資料の確認基準日は2026年7月31日です。
| 段階 | 経営者・責任者が確認すること | 合格の目安 | 保留する状態 | 根拠区分 |
|---|---|---|---|---|
| 利用前 | 目的、対象業務、適正用途、必要な知識・技能 | 受講者が使える範囲と相談条件を説明できる | 「AIを学ぶ」だけで対象業務が不明 | AI事業者ガイドライン第1.2版+自社運用 |
| 入力前 | 個人情報が利用目的の範囲内か | 目的と必要性を確認できる | 利用目的が曖昧、または範囲外 | 個人情報保護委員会の注意喚起(2023年6月2日) |
| 入力前 | 個人データの本人同意と機械学習利用 | 契約・設定を含め取扱いを確認できる | 応答出力以外の取扱いが不明 | 個人情報保護委員会の注意喚起(2023年6月2日) |
| 出力後 | 不正確な個人情報や業務への影響 | 用途に応じた照合と判断経路がある | 重大な影響があり得るのに確認者が不明 | 個人情報保護委員会の注意喚起(2023年6月2日)+AI事業者ガイドライン第1.2版+自社運用 |
| 利用中 | 適正な範囲・方法、更新、ログ、事故対応 | 定期確認と停止・共有の経路がある | 変更や事故を把握できない | AI事業者ガイドライン第1.2版 |
| 完了・継続 | 判断根拠を後から確認できる記録 | 記録から開始・継続の理由を再現できる | 結果だけで判断過程を追えない | AI事業者ガイドライン第1.2版+自社運用 |
ここでいう「合格」は、国が定めた点数や項目数ではなく、研修を業務利用へ進めるための社内判定です。公的資料で確認できる事項を最低線とし、対象業務の影響に合わせて自社項目を追加します。
なお、個人情報保護委員会の2023年6月2日の注意喚起が示す2点は、個人情報または個人データを含むプロンプトを入力する場合の確認であり、あらゆる情報の入力可否を決める一般的な判定基準ではありません。それとは別に、営業秘密、契約上の守秘義務がある情報、第三者の著作物など、自社で入力可否を判断すべき線引きがあります。後者は同注意喚起が示した項目ではなく、本記事の編集上の整理です。
開始前の確認項目:適正利用に必要な知識・技能
開始前は、受講者がAIの便益とリスク、適正な用途、利用条件を説明でき、会社がサービスの基本動作、ログ管理体制、相談経路を確認できれば次へ進めます。
総務省・経済産業省のAI事業者ガイドライン第1.2版は、AI利用者に対し、利用前に便益・リスクと適正用途を理解し、適正利用に必要な知識・技能を習得することを示しています。同版は2026年3月31日公表の非拘束的なソフトローであり、法令上の義務そのものではありません。一方、個人情報の入力判断は、後述する個人情報保護委員会の2023年6月2日の注意喚起を直接の確認根拠にします。
役職名を固定する必要はありません。専任部門がなければ、次の責任機能を既存の役職へ割り当て、誰が決め、教え、確認し、停止できるかを明確にします。
| 責任機能 | 開始前に決める内容 | 残す情報 | 保留条件 |
|---|---|---|---|
| 方針決定 | 対象業務、許容用途、影響の大きい用途 | 対象業務と判断日 | 経営方針と用途がつながらない |
| 研修運営 | 必要な知識・技能、演習、相談条件 | 教材の版、到達条件 | 機能説明だけで判断演習がない |
| 情報管理 | 入力できる情報、契約・設定の確認先 | 利用サービスと確認結果 | 個人情報・個人データの扱いが曖昧 |
| 業務利用判断 | 出力の確認方法、人間判断が必要な場面 | 確認者と判断基準 | 重大な影響があり得るのに経路がない |
| 利用者 | 許容範囲、停止・相談の条件 | 理解・演習結果 | 迷ったときの連絡先を説明できない |
サービスについては、想定した仕様で基本動作するか、操作履歴や入力・出力の記録を管理できるかも利用前に確認します。ログを残すこと自体を目的にせず、閲覧できる担当、利用目的、不要になったデータの扱いまで決めてください。
入力する個人情報を確認する項目
個人情報を含むプロンプトは一律禁止とせず、特定した利用目的を達成するために必要な範囲内かを入力前に確認します。
個人情報保護委員会は、2023年6月2日の「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等」で、個人情報取扱事業者が個人情報を含むプロンプトを入力する場合、特定した利用目的を達成するために必要な範囲内であることを十分に確認するよう示しています。これは2026年時点の最新規制や最終基準として引用するものではなく、令和8年改正個人情報保護法の内容を説明する資料でもありません。
研修では「個人情報は禁止」と暗記させるだけでなく、入力しようとした情報、特定済みの利用目的、その業務に必要な範囲を照合できるかを確認します。
| 確認項目 | 受講者が答えること | 合格の目安 | 保留・相談 |
|---|---|---|---|
| 対象の識別 | 入力に個人情報が含まれるか | 含まれる情報を具体的に示せる | 判断できない |
| 利用目的 | 特定済みの利用目的は何か | 社内の記録と対応付けられる | 目的が未特定・曖昧 |
| 必要な範囲 | その入力が目的達成に必要か | 必要性と範囲を説明できる | 便利だから、念のため、だけで入力する |
| 社内手続 | 誰へ相談・確認するか | 自社規程に沿う経路が分かる | 規程や確認者が不明 |
この表は「入力してよい」と自動判定するものではありません。個人情報を含む場合に公式が求めている確認だけを扱っています。自社の個人情報保護規程、契約、法務・情報管理上の判断がある場合はそれらを優先し、迷う情報は入力前に止めます。
また、営業秘密、契約上の守秘義務がある情報、第三者の著作物などは、個人情報保護委員会の2023年6月2日の注意喚起が扱う個人情報保護法とは別の枠組みです。これらの入力可否も自社で線引きする必要がありますが、これは個人情報保護委員会の要求ではなく、本記事の編集上の整理です。
個人データを入力する前に確認する項目
本人の同意なく個人データを入力する場合は、応答結果の出力以外の目的で扱われるか、提供事業者が機械学習に利用しないかを確認します。
同じ2023年6月2日の注意喚起は、「個人情報」と「個人データ」を書き分けています。個人情報については利用目的の範囲を確認し、個人データについては、あらかじめ本人の同意を得ずに入力し、そのデータが応答結果の出力以外の目的で取り扱われる場合に、個人情報保護法違反となる可能性があると説明しています。そのため、提供事業者が当該個人データを機械学習に利用しないこと等の確認が必要です。
| 確認順 | 確認する内容 | 確認先・証跡例 | 保留条件 |
|---|---|---|---|
| 1 | 入力対象が個人データに当たるか | 社内の取扱区分、情報管理担当の判断 | 区分できない |
| 2 | あらかじめ本人の同意があるか | 同意の範囲と記録 | 同意の有無・範囲が不明 |
| 3 | 応答結果の出力以外の目的で扱われるか | 利用規約、プライバシーポリシー、契約 | 取扱目的を確認できない |
| 4 | 提供事業者が機械学習に利用しないか | 契約、管理画面の設定、提供事業者の説明 | 設定や契約を確認できない |
| 5 | 自社規程上の承認を満たすか | 承認記録、相談記録 | 社内条件を満たさない |
本人同意の有無だけ、または画面上の設定だけで利用可否を決めず、条件を一続きで確認します。「個人情報を入力すれば直ちに違法」と単純化するのも、「学習オフなら何でも入力できる」と判断するのも避けてください。
出力結果を確認する項目
出力確認では、文章の自然さではなく、不正確な個人情報、原資料との不一致、バイアス、利用した場合の影響を用途別に点検します。
2023年6月2日の注意喚起は、入力された個人情報が機械学習に利用され、他の情報と統計的に結び付いたうえで正確または不正確な内容として出力されるリスクを示しています。また、応答は確率的な相関関係に基づいて生成されるため、不正確な個人情報が含まれるリスクがあると説明しています。したがって「読みやすい」「もっともらしい」だけでは合格にしません。
AI事業者ガイドライン第1.2版が人間の判断を介在させるとしているのは、出力によって重大な影響または被害が生じ得る場合に適宜です。すべての出力を一律に上司承認とするのではなく、影響に応じて確認を厚くします。また、同版の別添5は、入力データまたはプロンプトに含まれるバイアスに留意し、著しく公平性を欠くことがないよう配慮したうえで、責任をもってAI出力結果の事業利用を判断することを示しています。
| 出力の用途 | 確認内容 | 人間判断の設計例 | 合格の目安 |
|---|---|---|---|
| 個人に関する記述 | 氏名・属性・経歴などが原資料と一致するか | 原資料を参照できる担当が確認 | 不正確な個人情報を除去・訂正できる |
| 社外へ出す文書 | 事実、権利、機密性、承認条件 | 自社が定めた公開前確認へ回す | 根拠と修正履歴を追える |
| 採否・契約・支払い等に影響する判断 | 判断材料の妥当性と被害の可能性 | 権限を持つ人が判断する | AI出力だけで確定しない |
| 事業利用する出力 | 入力データ・プロンプトのバイアスと、著しく公平性を欠く結果になっていないか | 対象業務と影響を理解する担当が確認 | 責任をもって事業利用の可否を判断できる |
| 低影響の下書き・発想補助 | 禁止情報と用途逸脱の有無 | 自社ルールに応じて利用者が確認 | 影響に見合う負担で確認できる |
重要なのは、確認者の肩書ではなく、対象業務の原資料を参照でき、利用可否を決める権限があることです。影響を分類できない用途や、重大な影響があり得るのに判断経路がない用途は保留します。
提供事業者の規約・プライバシーポリシーを確認する項目
個人データを含む場合、規約、プライバシーポリシー、契約・設定を用い、応答結果の出力以外の目的での取扱いと機械学習利用を確認します。
個人情報保護委員会の2023年6月2日の注意喚起のうち、個人情報取扱事業者向けの(1)②は、本人の同意なく個人データを含むプロンプトを入力する場合、提供事業者が当該個人データを機械学習に利用しないこと等を十分に確認するよう示しています。規約やプライバシーポリシー、契約・設定は、この事業者向け確認を行うための確認先として扱います。
一方、個人情報保護委員会の2023年6月2日の注意喚起のうち、一般の利用者向けの(3)③は、利用規約やプライバシーポリシー等を十分に確認し、入力内容を踏まえて利用を適切に判断するよう示したものです。これは読者企業への事業者向け要求ではなく、従業員個人への教育項目として使います。
| 確認対象 | 確認する問い | 記録する内容 | 根拠の位置づけ |
|---|---|---|---|
| 利用規約 | 個人データが応答結果の出力以外の目的で扱われる条件は何か | 確認日、対象文書、該当条件、判断 | 個人情報保護委員会の注意喚起(2023年6月2日、事業者向け(1)②) |
| プライバシーポリシー | 個人データを機械学習に利用するか | 該当箇所、判断、相談先 | 個人情報保護委員会の注意喚起(2023年6月2日、事業者向け(1)②) |
| 契約・設定 | 個人データを機械学習に利用しないこと等を確認できるか | 契約条件、設定状態、確認者 | 個人情報保護委員会の注意喚起(2023年6月2日、事業者向け(1)②) |
| 従業員教育 | 規約やプライバシーポリシー等を確認し、入力内容を踏まえて利用を判断できるか | 教材、確認結果、相談条件 | 個人情報保護委員会の注意喚起(2023年6月2日、一般の利用者向け(3)③) |
| 基本動作 | 想定した仕様で動作するか | 試した機能と結果 | AI事業者ガイドライン第1.2版 |
| 変更情報 | 規約、設定、機能の変更を誰が確認するか | 担当機能と再確認条件 | 自社運用 |
利用中に確認する項目
利用中は、AIの活用が適正な範囲・方法かを定期的に確認し、更新、不要データ、事故・相談を継続判断へ反映します。
AI事業者ガイドライン第1.2版の別添5は、AI利用者向けに、利用中の定期確認、AIシステムのアップデートまたは提供者への実施依頼、不要なデータや冗長なログの削除等によるデータ最小化と適切な管理を示しています。固定の週次・月次に合わせるのではなく、用途の影響、サービス変更、相談や事故の発生に応じて確認時期を決めます。
| 利用中の確認 | 確認する状態 | 継続できる状態 | 停止・再確認する状態 |
|---|---|---|---|
| 適正利用 | 承認した用途・方法の範囲内か | 逸脱がなく判断経路が機能する | 未承認用途へ広がっている |
| 更新 | 機能・設定・規約に変更がないか | 変更の影響を確認済み | データ取扱いや連携先への影響が不明 |
| データ管理 | 不要データや冗長ログが残っていないか | 自社規程に沿って整理できる | 目的なく保持し続けている |
| 人間判断 | 重大な影響があり得る用途で機能しているか | 必要な場面で確認へ回る | AI出力だけで確定している |
| インシデント | 危害、セキュリティ侵害、プライバシー侵害の疑い | 停止・報告・共有が実行できる | 連絡先不明、または利用を継続する |
インシデント等の情報は、社内だけで閉じず、必要に応じてAI提供者・開発者と迅速に共有して対策を検討します。詳しい復旧手順ではなく、誰が利用を止め、誰が事実を確認し、誰が外部と連絡するかを研修の確認項目にします。
記録・文書化を確認する項目
記録は特定の紙帳票にそろえる必要はなく、後から判断根拠を容易に確認できる形で残っていれば運用できます。
AI事業者ガイドライン第1.2版では、文書化について、後から容易に確認可能となるよう適切なツールで記録が残されていれば差し支えなく、紙媒体や特定の文書形式に限らないとされています。操作ログだけでは判断理由が分からず、承認印だけでは何を確認したかが分かりません。対象業務、入力判断、出力確認、相談・停止の結果を結び付けます。
次の表は公的に定められた帳票ではなく、ラクダが推奨する社内証跡の例です。
| 証跡例 | 最低限残す内容 | 判定に使う場面 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 対象業務記録 | 目的、入力、出力、影響、担当機能 | 開始可否 | 業務を特定できない記録にしない |
| 規約・設定確認 | 文書名、版・確認日、設定、判断者 | 個人データを含む入力時 | サービス名だけで済ませない |
| 演習・業務の差分 | AI利用前後、修正、不採用理由 | 研修の実務判定 | 完成品だけを保存しない |
| 確認・相談記録 | 論点、根拠、判断、日付 | 条件付き・保留の解除 | 押印や結論だけにしない |
| 未使用理由 | 使わなかった場面と理由 | 用途・ルールの見直し | 受講者の失敗と決めつけない |
| 事故・停止記録 | 発生事実、停止、報告、共有、再開条件 | 継続・停止判断 | 推測と確認済み事実を分ける |
社内判定を「合格・条件付き・保留・見直し」などに分ける場合も、その区分は自社運用上の例であり、公的な合否区分ではありません。理解度テストは知識の確認に使えますが、本記事では、入力・出力・相談の判断を演習や証跡で確かめ、業務利用の可否を別に判定することを推奨します。
将来、作業時間や効果などの数値を記録する場合は、実測、実績(集計条件に注意)、実証の可能性、見込みの証拠ラベルと、期間・母数・組織規模・測定限界を同じ行に置きます。根拠のない平均や効果を研修の合格理由にしません。
チェック結果を踏まえて関連テーマを探す場合は、AI関連記事一覧から目的に合う記事を選べます。
提供者・開発者への確認事項と利用者の役割を混同しない
本記事の読者は原則としてAI利用者であり、AI提供者・AI開発者向けの項目は自社の義務に置き換えず、相手への確認事項として扱います。
AI事業者ガイドライン第1.2版では、AI利用者は事業活動でAIシステムまたはAIサービスを利用する事業者、AI提供者はAIを組み込んだサービスを利用者等へ提供する事業者、AI開発者はAIシステムを開発する事業者と整理されています。同一企業が複数の主体を兼ねる場合はありますが、単に外部サービスを使う企業へ別主体の項目をそのまま課すのは適切ではありません。
| 主体 | 本記事での扱い | 具体的な確認 |
|---|---|---|
| AI利用者 | 読者自身が実行する | 適正用途、知識・技能、基本動作、ログ管理、定期確認、人間判断 |
| AI提供者 | 契約・仕様の質問先 | データ取扱い、機械学習利用、更新、想定用途、事故時の連絡 |
| AI開発者 | 必要に応じた確認・共有先 | 開発側のデータ取扱いやインシデント共有に関する説明 |
「ユーザーやシステムに付与する権限を業務遂行に必要な最小限に設定する」はAI提供者向け、「必要最小限のデータ入力・参照」はAI開発者向けの記述です。これらを読者であるAI利用者への公式要求とは書かず、提供者・開発者へ確認する観点として使います。AI利用者側のデータ最小化は、不要なデータや冗長なログの削除等として確認してください。
よくある質問
AIリテラシー研修の合否は、全員一律の点数ではなく、用途と影響に応じた判断ができるか、必要な証跡を残せるかで社内判定します。
Q1. 全社員に同じチェックリストを使えますか?
共通項目は使えますが、同じ合格条件を全業務へ当てはめるのは避けます。個人情報・個人データの確認、規約確認、相談経路は共通化し、出力の確認者や人間判断の要否は用途の影響に応じて追加してください。
Q2. 理解度テストに合格すれば研修完了ですか?
公的資料が理解度テストだけを不合格と定めているわけではありません。ただし本記事では、知識に加えて、利用目的の範囲、機械学習利用の設定、規約、出力の影響を判断できるかを演習で確認し、業務利用の開始・継続を別に判定することを推奨します。
Q3. AIを使わなかった受講者は不合格ですか?
一律に不合格とする公的基準はありません。禁止情報が含まれる、利用目的の範囲を確認できない、サービスの取扱いが不明、重大な影響に対する確認経路がないなど、使わなかった理由を記録し、安全側の判断だったかを確認します。
Q4. 記録は紙のチェック票でなければなりませんか?
紙に限定する必要はありません。後から容易に確認できるツールで、対象業務、確認事項、判断、日付、担当機能が結び付いていれば運用できます。チャットやチケットを使う場合も、保存場所と閲覧権限を決めてください。
まとめ
AIリテラシー研修の開始・継続は、受講数ではなく、利用者が用途、入力、規約、出力の影響を判断できるかで決めます。
まず、2023年6月2日の個人情報保護委員会の注意喚起に沿い、個人情報を含むプロンプトが特定した利用目的の範囲内か、本人同意なく個人データを含むプロンプトを入力する場合に提供事業者が機械学習へ利用しないこと等を確認できるかを分けて見ます。この2点は個人情報・個人データを含む場合の確認であり、全情報の入力可否を決める最終判定ではありません。営業秘密、契約上の守秘義務がある情報、第三者の著作物などの線引きは、同注意喚起とは別の編集上の整理として自社で判断します。
次に、AI事業者ガイドライン第1.2版を参照し、利用前の知識・技能、基本動作、ログ管理と、利用中の定期確認、更新、データ管理、バイアスへの配慮、事故対応を確認します。人間判断は、重大な影響または被害が生じ得る場合に組み込み、全出力へ一律に課しません。公的根拠と自社運用を分け、後から判断を再現できる記録がそろえば、開始、条件付き継続、保留、見直しの理由を経営者・責任者が説明できます。
参考資料
AIで何ができるか、ではなく
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